新潟県中越大震災に際して (2004.11.7.追加改訂)   
新潟県小児科医会 前会長    太田 裕


    この度の新潟県中越大震災(註)に際しまして、被災された皆様のご心労は並々ならぬものがおありのことと推察いたします。いまだ生活その他あらゆる面で、不自由で不安な毎日をお過ごしのことと思いますが、希望を持って、皆さん力を合わせて、どうかこの苦難を乗り越えてください。

  また、全国の皆様から、新潟県小児科医会へのお見舞いのメッセージやお手紙、そしてたくさんの義援金を頂戴いたしましたが、そのご厚情に対しましては心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。この義援金は、被災された方々のために有意義に使わせていただきます。

  今回の地震で被害の大きかった小千谷市では、ライフラインの復旧も進まず、さらに、2つある病院のうちの1つが損壊し閉鎖されたため医療のバックアップが立ち遅れておりましたが、全国から続々と集まってくれた医療ボランティアの方々のお陰で、住民の皆様の不安も少しずつ解消されてきております。
  小千谷市内の病院は、損壊した病院も含めて、徐々に病院機能を回復しつつあります。まだ完全復旧には時間がかかる状況ですが、被災者の皆さまにとっては大変心強いことと思います。
(2004.11.4.現在)

  私ども新潟県小児科医会の中にも被災した会員がいますが、自分のことは構わずに市内の各救護所を回って献身的な救護活動を行なっております。また、長岡市など周辺地域の医師たちも、開業医と病院がスクラムを組んで必死に医療の支援活動を行なっております。

  今後の新潟県小児科医会の取り組みとしましては、県医師会と連携して、救護所の医療支援、近づきつつある冬に備えたインフルエンザ予防接種への協力など、小児科医としての視点で、できる限りの支援を行なっていきたいと考えております。

  今回のような突然の大災害の後では、そのストレスによって精神的な失調状態に陥るのは子どもの場合でも一緒です。それどころか、十分な精神的成長が得られていない分、大人以上にストレスには弱いものです。私たちは、こういった被災した子どもたちの心の問題にも、これから積極的に取り組んでいきたいと考えております。

  以下にあげました3編の「手引き」は、今回の地震被災者の皆さまのためにとご提供いただいたものばかりです。転載・コピーは自由ですので、たくさんの方々にお読みいただければ幸いです。

●「 災害時における家庭支援の手引き 『乳幼児を持つ家族をささえるために』 」
■市民の皆さまへ>> ■お父さんお母さんへ>> ■学校の先生方へ>> ■医療関係者へ>>
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 日本子ども家庭総合研修所・監修  「災害時における家庭支援の手引き」編集委員会・編
●「 地震や水害にあった母乳育児中のお母さんへ 」 >>
 災害時の母と子の育児支援 共同特別委員会・編
●「 災害時の障害児への対応のための手引き 」 >>
 筑波大学教授 宮本信也先生が作成されたものです。

  一日も早くこの地震が終息し被災された方々に平穏な日々が戻りますよう、心よりお祈り申し上げます。


(註) 新潟県ホームページにならい、呼称を「中越地震」から「中越大震災」に変更いたしました。
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