災害時における家庭支援の手引き 『 乳幼児を持つ家族をささえるために 』
 学校の先生方へ  日本子ども家庭総合研修所・監修
  「災害時における家庭支援の手引き」編集委員会・編
子どものこころのケアについて
 突然の大災害にあたり、先生方におかれましては、私生活でも職場でも大きな負担を背負っておられることとお察し申し上げます。お陰様で子ども達は少しずつ学校に戻れるようになっていますが、避難所にいる子どももまだ少なくありません。
 大人でさえ耐え難いこのような体験は、子どもたちには、もっと大きな心の痛手となっているかと思われます。できるだけ早く日常のスケジュールにもどることが助けにもなります。
 被災した全ての子どもに、こころのケアが必要です。先生方のお力をお貸し下さい。子どもと接する場合に次ぎのような点に気をつけていただければ幸いです。
1) 子どもに安心感を与えるようにする。
2) 子どもが悲しみや恐怖の感情を自分から話すようなら、受容的な態度で十分に耳を傾ける。しかし、無理に聞き出すのは、恐怖心をあおることがあるので、しないほうが良い。自然な形で、少人数の友達と恐かったこと、悲しかったことを自由に話をする。ひとりひとり話すことをみんなで聞くのも良いです。
3) 子どもを独りぼっちにしない。
4) 他の子どもとよく遊ばせる。
5) 年齢によっては、手伝えることがあれば手伝いをさせ、自分が役に立っていると子どもに実感させる。

 子どもが下のような症状を出してきましたら、叱ったり励ましたりせずに、わかってあげて安心させて下さい。それがいつまでも続いたり、段々ひどくなるようでしたら、ためらわずにご相談ください。
1) 突然不安になったり、興奮する。
2) 突然現実にないようなことを言い出す。
3) 必要以上におびえたり、敏感になる。
4) 落ち着きがなくなったり、集中力がなくなる。
5) 表情が乏しくなり、ボーッとしている。
6) 引きこもって、周りの人との関わりがなくなる。
7) 眠らない。
8) 繰り返し悪夢を見る。
9) 著しい赤ちゃんがえりがある。
10) 自分が悪いからこうなったとか、あれこれ心配しすぎる。
11) 頭痛、腹痛、息苦しさ、吐き気、めまい、頻尿、夜尿などの体の症状や体の一部が動かなくなったり、ときに意識がなくなり倒れるなどの症状がある。