新潟県の子ども医療費助成制度ってどうなっているの?

 まだまだ市町村によってばらつきがあります 


子ども医療費助成について

 近年、ワクチンの普及により乳幼児に多い感染症が相対的に減少し、アレルギー疾患や発達障害、心身症などの年長児の受診割合が増えています。このような子ども達の病気の変化に合わせて、また少子化対策として、県内の市町村も少しづつ助成上限年齢を引き上げてきました。

令和元年5月1日現在の新潟県内の医療費助成の状況は別紙のごとくです。

ご覧いただいてわかるように、入院に関しては子どもの数に関わらず、通院に関しても3人以上子どもがいる家庭では最低でも全県下中学卒業までとなっています。平成31年4月1日から新潟市でも子どもが2人以下の場合、中学卒業までに延長され、全県下で中学卒業までは助成が行われることになりました。

平成29年の14歳未満の子どもの数をみると、県全体の267446人に対しこの二つの市だけで109424人、40.9%を、特に新潟市は、97681人、36.5%を占めています。つまりたった2つの市といえども通院に関して、県全体の子供の4割強が残りの6割弱の子供たちよりも少ない医療費助成しか受けられないという不平等な状況は続くのです。

新潟県では、平成27年度まで市町村が行う子ども医療費助成の半額を県が助成していたものを平成28年度からはより自由度の高い交付金という形に変更しています。その額は28年度には前年度に比べ約2割増額しているというお話で、さらに平成29年度予算ではその額は28年並みの約12億5300万円だそうです。

一方、新潟市では、平成17年の政令指定都市への移行に当たり県から補助を受けないという協定書をかわしたことから、市単独で子ども医療費助成を行っており、その額は平成28年度、約21億1600万円です。ちなみに新潟市で通院の助成を現在の小学卒業から中学卒業までに拡充するには、新潟市の試算では2億5千万が必要とのことです。

当会としては引き続き、新潟県から市町村への子ども医療費の補助を増額していただき、県内の子ども医療費助成の不平等をなくすよう新潟県に働きかけて行きたいと考えております。

      平成29年6月21日   新潟県小児科医会 会長 川崎琢也  


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