顔・ボタン「水いぼについて」 (2008.7.3)   
新潟県小児科医会 会長  庄司義興
暑くなってくると、保育園や幼稚園ではプールの季節です。この時期いつも問題となるのは水いぼのある園児がプールにはいっていよいかどうかということです。
新潟県小児科医会では平成13年度から「水いぼがあってもプールは入れて下さい。」というメッセージをだしています。新潟市内では保育園、幼稚園の健康情報便りでもこの点に関していつも周知徹底していただいています。その理由をお知らせします。

1)水いぼの特徴
水いぼは、最初は粟粒大の半球ないしドーム状の丘疹、時間の経過とともに大きくなります。せいぜい1ないし5mm程度で成長が止まります。大きいものの中心にはくぼみが見られ、押しつぶすと粥状のものがでてくる。その中にウイルスがいて、引っ掻いてしまうため、体のあちこちに広がることがあります。水いぼは、1年経過をみると95%近くの人が自然に治癒し、発症から平均6〜7か月でなおる例も多い。

2)水いぼとプール
水いぼの子どもさんがプールに入れてもらえないという話を耳にするが、これは大きな問題です。水いぼのあるこどもたちを差別することとなります。差別された場合の精神的なダメージも問題となります。スイミングスクールで水いぼが多発し問題になったことがある。ビート板が感染の原因となっていた可能性があり、その取り扱いに注意がはらわれて、最近はあまり問題とならなくなりました。

3)感染について
水いぼは、ウイルス性の感染で主に肌と肌のふれあいで感染しますが、プールだけが感染の場ではありません。日常の生活の中でも感染することは充分考えられます。水いぼの感染を防ぐには、水いぼをもっている園児はなおるまで、登園できないことになります。でも水いぼは、軽い病気なので、また必ず治ることが多いので、インフルエンザ、麻疹、水痘、おたふくなどの流行性の感染症とは別にして、考えるべき疾患です。

4)水いぼがあってもプールは入れて下さい。
プール1993年文部省は、みずいぼに関してビート板や浮き輪の共有をさけるよう指導していますが、プールにはいることは禁止していません。夏楽しくみんなでプールに入るほうがどれだけ子どもたちのためになるか、関係者の方々良く考えて下さい。子どもたちのことを考えれば、水いぼがあっても,プールには積極的に入れてあげて下さい。
                             2008年7月

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