顔・ボタン 小児科医と患者さん        2001.4月)   
新潟県小児科医会 副会長  大塚武司
   私達小児科医はこどものこころと体の健やかな成長を願い、体の病気のことはもちろん、予防医学や育児学、児童心理など幅広い分野を研修し、こどもを癒しご家族の不安を取り除くこと、そして更にこどもを取り巻く社会の諸問題の改善にも努力する、それが小児科医の使命と思っています。
 こどもは大人のミニチュアではありません。こどもは心身とも日々成長しています。ですから同じ病気でも大人では些細なことが、こどもでは重篤な後遺症や発達の遅れを引き起こすこともありますし、幼いこころを傷つけることもありますから、治療も専門的な知識と経験が不可欠です。また赤ちゃんは言葉が話せませんし、幼児も旨く状態を伝えることが出来ませんから、顔色や泣き声などから得られた情報から的確に病状を把握し診断する力も勿論必要です。局所的な事柄に目を奪われず、全身状態、取り巻く環境まで考慮して総合的に診療する、それが小児科医に求められる姿勢と考えています。
「鼻水が止まらない」とか「熱だけ続く」と風邪と思って診療に訪れた患者さんに、重篤な病気を発見することもありますし、病気以外の世間話からご家族のお子さんに関する色々な悩みの解決のお手伝いが出来たこともあります。もちろん小児科医はスーパーマンではありませんから、疾患や病状によっては別の専門的な病院や施設に紹介したり、小児外科や眼科や耳鼻科など他科の先生のお力をお借りしなければ解決出来ないこともありますが、「とりあえず小児科でも」で結構です。子供のことなら何でも小児科医に相談してみてください。そうして「小児科に来て良かった」と言って頂けるよう、私達、新潟県小児科医会の会員一同最善を尽くす所存です。これからも宜しくお願いします。
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