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 和食の勧め
太田 裕
 戦後の食の欧米化は、パン食、肉、脂肪分の多い食品を食べる習慣を根付かせ、身長の伸び等、体躯の発達に貢献してきました。しかし食の欧米化は結果として肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病や食物アレルギーそれに続く喘息などのアレルギー疾患などを増加させたと考えられています。更にこれらの疾病の低年齢化傾向が顕著となってきたため社会問題視されてきました。
 生活習慣病の増加の原因は食事だけでなく、テレビ漬けで運動をしないなど生活全般が大きく関与していますが、砂糖、脂、肉などの高カロリー、高脂肪、高蛋白の取り過ぎ、パン食など食後高血糖その後の低血糖をきたし易い食品(グリセミックインデックスの高い食品)の常食などが原因として挙げられています。またアレルギーの面からは、卵、牛乳、小麦(パン)に起因するショックやアレルギーが非常に増加しています。これらの食品は食物アレルギーの三大食品といわれ、これも食の欧米化により、多く摂取するようになった食品です。
 このような状況の中、今再びご飯と味噌汁をベースにした和食が見直されてきました。日本民族は何万年にもわたり穀物を中心に野菜や魚など脂肪分の少ない食品を食べ続けてきました。そして食物の消化吸収、代謝もその食生活に合わせて進化してきたのです。つまり私たち日本民族は高カロリー高脂肪を常食としてきた西欧人に比べ、インスリンの分泌能が悪く、乳脂質の代謝能も劣り、またこれらの食品に対しアレルギー反応を起こしやすく、その結果簡単に肥満、糖尿病、アレルギー性疾患になってしまう民族なのです。是非、和食を見直して、生活習慣病やアレルギー疾患に強い子どもを育ててください。