2002年
レポート
12/21 佐渡ではまだインフルエンザの流行はありません。感染性胃腸炎が流行していますが重症のロタウイルス胃腸炎は認められません。水痘とムンプスが相変わらず佐和田をはじめとした一部の保育園で流行中です。マイコプラズマ肺炎や溶連菌感染症もわずかずつ認められています。急に高熱が認められますが元気、食欲はあり、2〜3日で軽快する上気道炎が小流行しています。元気があれば家で様子をみているうちに治ってしまいます。<岡崎>
12/2 佐渡島内の保育園や幼稚園で水痘や胃腸炎の小流行が認められます。その他急に頭痛や咽頭痛をともなった高熱を認めるものの短期間で下熱する上気道炎が認められますが、これはインフルエンザではありません。マイコプラズマ感染症は少し下火になってきました。ところで、今年のインフルエンザは流行規模が大きくなるかもしれないと予測されています。インフルエンザは他のカゼと違い、診断および治療ができる疾患です。鼻水や咳に加えて高熱でぐったりしているときには無理せず早めに受診してください。<岡崎>
11/19 ここのところ寒い日が続いています。そして、インフルエンザ以外の高熱のカゼがときどき認められています。国仲方面では水痘の小流行があり、佐和田ではムンプスが流行しています。今年は寒くなるのが1ヵ月早かったようです。インフルエンザも早めに流行するのでしょうか。ワクチン接種は順調に進行しています。 <岡崎>
10/27 佐渡では感染症の大きな流行はありません。マイコプラズマ感染症が佐和田で、水痘が金井町 と両津市の両尾で小流行が認められます。マイ コプラズマをはじめとした気道感染症による気管 支喘息発作の入院が増加しています。相川、佐和田、真野でムンプスが少数認められます。11月からはインフルエンザの予防接種をはじめます。特に喘息のある方は毎年の接種することをお勧めします。<岡崎>
10/11 佐渡でもエコー13ウイルスによると思われる、髄膜炎はまったくみられなくなりました。マイコプ ラズマによる気管支炎や肺炎はまだ流行しています。これに誘発された気管支喘息の急性増悪も見られます。高熱のみの咽頭炎や、胃腸炎の小流行もありますが重症なものはありません。水痘はみかけられません。ムンプスは相変わらず小流行が続いています。もうインフルエンザが出た地域があるようですが、まだ散発例のようです。<岡崎>
9/24 佐渡ではいったんおさまりかけていた無菌性髄膜炎がまた再流行しています。急に頭痛や嘔吐を発症する人や、軽い症状から数日かかって進行する人もいます。3ヶ月以下の赤ちゃんも数名、髄膜炎で入院されていますが、幸い重篤になる患者さんはいません。乳幼児では発疹を伴うウイルス感染症や胃腸炎もときどき認められます。そのほか、マイコプラズマをはじめ、感染症に誘発される喘息発作が増加しています。ほかの感染症は落ち着いています。<岡崎>
9/7 佐渡の無菌性髄膜炎の流行は両津や相川で続いていますが、大きくならずに終息しそうです。発熱のみで入院精査となった新生児が何名かいましたが、同じウイルスと思われます。佐和田を中心として、マイコプラズマ肺炎、気管支炎が認められます。2、3日高熱のみの夏カゼやムンプス、水痘の流行が散発的に認められる程度で、他の地域と同様に感染症はおちついています。咳で受診する方が増えてきました。喘息の「ケ」がある方、鼻かぜから急に重い発作になることもあります。台風、低気圧、急な冷え込み、農作業の煙にも注意してください。<岡崎>
8/17 佐渡では現在、頭痛を伴う高熱のカゼが成人でも小児でも流行しています。一部は無菌性(ウイルス性)髄膜炎と診断がつき入院となっています。最初は島外からの帰省者だけだったのですが、最近住民の無菌性髄膜炎も入院となりました。発熱、頭痛、嘔吐があり消耗している様子があれば受診してください。また、嘔吐が主体の胃腸炎もあり、この夏は嘔吐がからむ病気が多いようです。夏カゼと呼んでいるヘルパンギーナやアデノウイルス感染症、あるいは、マイコプラズマ肺炎、ムンプス、溶連菌感染症、水痘など、さまざまな感染症が途絶えることなく細々と続いていますが、重症感染症はありません。<岡崎>
8/6 両津で無菌性髄膜炎が1例発症しました。今後の流行に注意したいと思います。よく似た症状で、非常に短時間の頭痛、嘔吐、発熱がある胃腸炎も認められます。最初は判断に迷いますが、胃腸炎は半日か1日で楽になるようです。そのほか、両津、相川、赤泊でムンプス、畑野、羽茂、佐和田、両津で水痘、真野や佐和田の一部でマイコプラズマが小流行しています。咽頭結膜熱やヘルパンギーナは軽症で、長期に発熱する人はいなくなったようです。また病原性大腸菌胃腸炎が発生しました。<岡崎>
7/23 佐渡の感染症は相変わらず落ち着いています。病原大腸菌とキャンピロバクターによる細菌性胃腸炎がありました。食中毒が増加する季節ですので、常温で放置されていた食品には注意してください。両津の夷保育園と歌代保育園、赤泊保育園でのムンプス流行があります。また水痘も赤泊などで少流行しています。ヘルパンギーナ、アデノウイルス感染症など急に高熱がでる夏カゼ、マイコプラズマ感染症がときどき各施設で認められます。7月はじめから小木の深浦で大発生したチャドクガ皮膚炎は対応が早かったので沈静いたしました。<岡崎>
7/2 佐渡では現在、大流行している感染症はありません。新潟県各地で麻疹発症が報告されていますが、幸い佐渡ではまだ確認されていません。各地区で短期間の嘔吐、腹痛、下痢がある軽症の胃腸炎や、ムンプスの小流行が継続しています。最近、溶連菌感染症が金井や相川などの保育園で認められます。水痘はほとんど 認められなくなりました。3日〜5日程度高熱が持続する 咽頭炎が時々認められ、一部はアデノウイルス感染症が確認されています。新しい環境に適応しきれなかった子どもたちが息切れしたのか、6月はカゼ症状を訴える神経症性不登校が多かったようです。学校や家庭での環境調整に努めたいと思います。<岡崎>
6/13 佐渡では、ヘルパンギーナが流行しています。3日くらい高熱が出ますが、熱以外に症状はありません。ムンプスが赤泊小学校と幼稚園でかなり流行しています。一部水痘や溶連菌感染症、伝染性紅斑、マイコプラズマ肺炎などが散発しています。ロタウイルス胃腸炎が2名、RSウイルス細気管支炎も1名診断されました。アデノウイルス感染症は下火になったようです。またプールが始まるとプール熱として流行するかもしれません。<岡崎>
5/27 現在、感染性胃腸炎がやや目立ちますが、大きな流行ではありません。水痘やムンプス、マイコプラズマ肺炎が散発しています。夏カゼウイルスが原因のヘルパンギーナが数名診断されました。また伝染性紅斑も両津で1名診断されています。修学旅行帰りの不明熱の患者さんがEBウイ ルスによる伝染性単核球症と診断されました。夏カゼが流行してくると新生児の発熱や無菌性髄膜炎が多発することがありますので、高熱に頭痛を伴う時には受診してください。現在のところ、佐渡の感染症は落ち着いています。<岡崎>
5/2 インフルエンザシーズンが終了して、感染症が落ち着くのかと思いましたが、3〜5日間高熱のアデノウイルス感染症や2〜3週間咳が続く喘息様気管支炎、嘔吐や水様便の胃腸炎などが認められます。国仲、相川でムンプスがあり、南部ではマイコプラズマ肺炎、佐和田、赤泊では水痘の小流行があります。とくに新しく保育園に入った赤ちゃんは次々と風邪を もらって大変だと思いますが、しばらくの辛抱です。乗り越えられるまではお母さんの勤務先の上司の方のご理解をいただきたいと思います。<岡崎>
4/7 佐渡のインフルエンザの流行は、新穂などの一部を除いてほぼ終息しました。ただし患者さんが全くいなくなったわけではありませんので、学校が始まるとまた小流行があるかもしれません。最近インフルエンザBによる脳症が一名いました。幸い軽症であり短期間に軽快しました。感染性胃腸炎や溶連菌感染症は多くはありません。水痘が新穂や真野の保育園で流行しています。ムンプスも金井や真野、畑野でわずかに認められます。佐渡では感染症はおおむね落ち着いており、みんな元気に入学式が迎えられそうです。<岡崎>
3/25 インフルエンザ流行は峠を越したようです。いままでのところ、脳炎や心筋炎などの重症合併症は認められません。新穂で水痘が、畑野でムンプスの小流行が認められます。インフルエンザ以外の感冒、感染性胃腸炎、溶連菌感染症、マイコプラズマ肺炎もまだ週に数名ずつ認められます。インフルエンザはふつ うは春休みに入ると流行は終息するはずですが、昨年は新学期 まで流行が残りました。まだまだ油断は禁物です。<岡崎>
3/10 佐渡ではインフルエンザの大流行が続いています。A型もB型もほぼ全島に広がりました。病院の外来は大変混雑しており、先日は6時間待ちの患者さんもいました。発熱があっても子どもが元気で食欲がある場合には、ご自宅で安静にされていたほうがいいと思います。41度以上の高熱や倦怠感が強くぐったりしているようなときは、早めに受診し、受付で教えてください。その他、発熱や腹痛をともなう胃腸炎や咳の長引く感冒、マイコプラズマ肺炎、夕方の高熱の持続する感冒も相変わらず混在しています。風邪が重なると回復に時間がかかるようになります。しっかり回復するまで自宅安静を守ってください。<岡崎>
2/25 佐渡ではインフルエンザが流行しています。ほぼ全島にわたってA型が認められ、畑野を中心にB型も拡大しつつあります。それにまぎれてアデノウイルス感染症やマイコプラズマ感染症が散見されます。さらに感染性胃腸炎がまだ認められます。インフルエンザ脳症など重大な合併症はまだ認められていませんが、流行のピークでウイルス量が多いと考えられるときに脳症が認められますので、ここしばらく要注意です。41度を超える高熱や、いつになくぐったりとして元気がないときには早めに受診してください。<岡崎>
2/7 佐渡でもインフルエンザの流行が始まりました。両津、新穂、佐和田ではインフルエンザAが、畑野ではインフルエンザBが流行しています。6日には1日で10名以上がインフルエンザと診断されました。今後全島に拡大するおそれがあります。人ごみを避けて、手洗いやうがいの励行をお願いいたします。強い悪寒や倦怠感がみとめられるときには早めに受診してください。症状が軽い場合には家で水分摂取と安静をこころがけてください。<岡崎>
2/4 両津方面のインフルエンザAが流行しています。真野方面ではムンプスの流行があります。全島で相変わらず感染性胃腸炎が認められ、発熱を伴うものもありますが、インフルエンザ抗原は陰性です。溶連菌感染症もまだしつこく残っています。これからいよいよインフルエンザシーズンのようです。いまのところ熱性痙攣の増加はありません。<岡崎>
1/21 インフルエンザが疑わしい発熱がときどきみられますが流行にはいたらず、両津でB型が2例でた後はおちついています。幸い年末年始の人の移動では危ないウイルスの持込みはなかったようです。新穂から飛び火した両津方面 でムンプス流行が認められます。溶連菌感染症やマイコプラズマ肺炎が相変わらずぽつぽつ出ています。RSウイルス感染症は下火になりました。感染性胃腸炎では、相変わらず嘔吐主体のSRSV感染症と考えられる子どももいますが、乳児でロタウイルス胃腸炎が数名確認されこれから増加しそうです。11月 に流行した咽頭炎の一部はコクサッキーウイルスA9だったようで3件のウイルス陽性例がありました。<岡崎>
1/10 新穂を中心とするムンプスおよび溶連菌感染症は、年末年始の 休暇で終息したようです。マイコプラズマ肺炎も減少しました。 RSウイルス感染症も全体にゆきわたったのか、重症例はいません。 喘鳴のみで元気な呼吸困難のない赤ちゃんは、お風呂にはいって もかまいません。インフルエンザの流行もなく、感染症は嵐の前の 静けさを保っています。学校がはじまりますとまた風邪ウイルスの 交換があり、熱や咳が多くなるでしょう。十分な休養と規則正しい 生活を心がけてください。成人でインフルエンザAが出たという情報 がありました。悪寒を伴う急激な発熱には注意してください。 <岡崎>