27)子育てのはてな? その5

今回は男の子のちんちん(外性器)のトラブルについて解説します。

チンチンが赤い

 チンチンの先が赤く腫れることがあります。場合によってはチンチン全体が腫れあがり、チンチンの先から黄色い膿(うみ)が出てくることもあります。亀頭包皮炎と言います。男の子にはよくみかけます。話ができる年齢だと「ちんちんが痛い」「おしっこすると痛い」などと訴えます。塗り薬や抗菌薬で治ります。

チンチンに白いものが

 チンチンの皮の下に白いかたまりが透けて見えることがあります。恥垢といって、いらなくなって剥がれ落ちた細胞がたまったものです。通常は無菌状態で痛くもかゆくもなく、これにより包皮と亀頭の隙間ができむけやすくなります。成長と共に包皮がむけてくると自然に排出されるので特別な処置は必要ありません。ただし、赤く腫れてくる場合は亀頭包皮炎として治療が必要です。

皮をむく訓練は必要か

 包皮をむいても亀頭を出すことができない状態を包茎と言います。包茎は病気ではありません。生まれたばかりの新生児はほぼ全員が包茎です。成長とともに自然に改善し、包茎の率は幼児期に約60%、小学校低学年で約40%、高学年で約20%、中学生は約10%、思春期以降は5%以下になります。つまり、特別な処置をしなくても自然によくなるのです。通常、医学的には皮をむく訓練は必要ないことが多いです。しかし、さまざまな意見があることも事実です。皮をむくことをすすめられたり、実際にそれを毎日実践しているママ友達がいらっしゃるかもしれません。どうしたらいいか迷ったり、不安になったりするようであれば、小児科医か泌尿器科医にぜひご相談ください。

たまたまが腫れた

 陰嚢(いんのう)が腫れることがあります。常に陰嚢(いんのう)が大きい場合は、精巣の周囲に水がたまる陰嚢水腫が考えられます。痛みはなく、通常は一歳ごろまでに自然に治癒します。一方、泣いたときや立った時に陰嚢がふくらむ場合は鼠径ヘルニアが考えられます。一般に「脱腸」と呼ばれているものです。腸管が鼠径部から陰嚢に出てきている状態です。緊急を要することは少ないですが、通常は手術で治します。陰嚢が腫れる病気の中で特別に緊急を要するものがあります。精巣捻転症です。突然、激しい痛み(激しく泣く)とともに陰嚢が腫れて紫色になります。精巣が血行障害を起こし6時間後には壊死状態になるため、大至急の受診が必要です。

たまたまが降りていない

 陰嚢に精巣が降りていない状態を停留精巣といいます。生後6ヶ月頃までは自然に下降することもありますが、下降しない場合は手術が必要です。いつもは降りている精巣が時々上がってしまうというのは移動性精巣で、この場合、手術は不要です。