26)子育てのはてな? その4

「舌に白いものがついている」

 赤ちゃんの舌やほっぺの内側に白いかすのようなものがついていることがあります。これはカンジダというカビの一種が増えたためで鵞口瘡(がこうそう)といいます。単なる乳かすはガーゼでぬぐうと取れますが鵞口瘡は拭いても取れません。乳児健診で見ていると結構多くの赤ちゃんで鵞口瘡が見られます。特に痛みなどをともなうことはありません。カンジダはもともと口の中に常在するカビです。自然に治っていくことも多いです。また、口の中のカンジダを治療する塗り薬もあります。

「歯ぐきに白いかたまりがついている」

 赤ちゃんの歯ぐきに白い半球状の粒がみられることがあります。白い色なので歯が生えてきたとびっくりされる方もいらっしゃいます。しかし歯のような硬さはありません。ちょうど真珠のように見えるので上皮真珠という名前がついています。細胞が重なって白く見えているだけで特に害はありません。そのうち自然になくなっていきます。

「舌小帯と上唇小帯」

上の唇の裏側の真ん中に、縦についている粘膜のひだを上唇小帯といいます。転んで唇を打った時に、この上唇小帯が切れて出血することがありますが、日常的には特に問題はなく治療の必要もありません。この上唇小帯が太くて前歯の歯並びが悪くなる場合は切除することもあります。

一方、舌の下の真ん中に、縦についている粘膜のひだが舌小帯です。以前は新生児期に切除していた時代がありましたが、これにより哺乳障害になることはなく、早期の切除は必要ありません。幼児期以降になり、摂食機能障害や構音障害(タ行、ナ行、ラ行の発音)に関係している場合は治療の対象となることがあるといわれていますが、そのような例はめったに経験しません。

「虫歯菌」

虫歯は虫歯菌による感染症と考えられています。ミュータンス菌といいます。赤ちゃんの乳歯が生えた後からこのミュータンス菌が感染し、口の中に定着します。ミュータンス菌は糖質が存在すると歯の表面に膜を作り、糖を分解して酸を産生することで虫歯が発生します。この菌は家族からうつる場合が多いので、赤ちゃんに口移しで食べさせるのは避けた方がいいです。

「虫歯対策」

虫歯菌をゼロにするのは難しいので、その餌になる砂糖の摂取を少なくすることは大切です、スポーツドリンクや乳酸菌飲料などは健康に良さそうな印象ですが砂糖が入っています。だらだらと与えず、時間を決めて与えるべきです。また、食後の歯磨きをして歯の表面をきれいにしておくことが虫歯の予防になります。特に夜間は唾液が少なくなり、ミュータンス菌の活動が活発になります。ですから、寝る前は、ていねいな歯みがきを心がけましょう。また、フッ素は歯の質を強くし、溶けたカルシウム分を再び歯に戻す作用を促進します。フッ素についてはぜひ歯科の先生にご相談ください。