23)子育てのはてな? その1

 先回までの「子育ての目標」におつきあいくださりありがとうございました。今回から、「育児のはてな?」というタイトルで、よく質問をうける話題について解説します。今回は赤ちゃんシリーズです。

「髪の毛が薄い赤ちゃん」

 赤ちゃんの髪の毛はとても個人差が多いです。時折、髪の毛が薄い、あるいは抜け毛が急に増えたと相談されることがあります。赤ちゃんの髪の毛は何回か生え変わります。その際に一時的に抜け毛が目立つことがあります。また、後頭部の布団にすれる場所が部分的に抜けてしまうことがあります。でも心配はいりません。おっぱいを飲んで元気であれば、いずれふさふさの髪になっていきます。私の初孫も赤ちゃんの頃、髪が薄い子でしたが今はきれいな黒髪の女の子になりました。

「いびつな頭の赤ちゃん」

 頭の形を心配されるかたは多いです。抱っこしていると目立つ場所ですから、家族中で心配します。ドーナツ枕や寝かせる方向など工夫をしてもらっても、実際には効果はありません。寝返りができ、お座りがしっかりできるようになると頭の形は自然に治っていきます。いびつな頭が原因で脳の発達障害をきたすことはありません。心配している人がいらしたら、いずれだんだん治ると教えてください。私の長男もいびつ頭でしたが今は大人になり元気にしています。

「頭にかさぶたのある赤ちゃん」

 頭皮にふけが固まってかさぶたのようについている赤ちゃんがいます。脂漏性湿疹といって結構多くの赤ちゃんに見られます。教科書にはオリーブ油をぬってお風呂で石鹸をつかいよく洗うと書いてあります。ただし、あまり無理にとろうとして傷つけないように注意が必要です。すぐに取れなくても、いずれ少なくなってきれいになります。あわてないでお風呂で普通に洗ってあげるだけでいいです。

「さかさまつ毛の赤ちゃん」

 さかさまつ毛の相談もわりと多いです。実際にまつ毛が眼球についているのが見えますが、赤ちゃんはわりと平気にしています。赤ちゃんのお顔はふくよかで、まぶたもぽっちゃりしています。そのため、まつ毛が内側に倒れてしまい、さかさまつ毛になります。赤ちゃんのまつ毛は柔らかく、眼球を傷つけることは少ないようです。成長と共にお顔もきりっと引き締まり、さかさまつ毛も自然になくなっていきます。

「より目になる赤ちゃん」

 赤ちゃんの「より目(内斜視)」の相談も時々あります。多くの場合は赤ちゃんの顔立ちの問題です。赤ちゃんは鼻のつけねの部分が広いため、一見ひとみが内側によっているように見えてしまうのです。実際には病的な斜視はなく、両方の目できちんと見ていることがほとんどです。しかし、本当に斜視がある場合には弱視が進むこともあるため、「より目」があると思ったら眼科に受診し、確認していただくことをお勧めします。より目ではありませんが、疲れた時やぼんやりしている時に外斜視(より目の反対)になる人がいます。特に治療は必要ない場合が多いのですが、目立つ場合はやはり眼科に相談してください。