22)子育ての目標 その7

ままごと

 家に帰ると孫たちが段ボールとソファークッションで家を作り、ままごとをしていました。パパ役とママ役はすでに決まっていて、私はおにいちゃん役です。さっそく家に入れてもらいました。クッションによりかかるとそれはテレビだからと言われ、座布団は肉で焼いているところだから熱いよと注意されます。飲み物を買ってくるようにとお金をもらい、お使いに行きます。ただいまーと買い物から帰れば焼き肉とカレーの夕食でした。デザートはチョコです。お風呂もあって快適な暮らしです。子どもの想像の世界の中で十分に楽しませてもらいました。

親が与えるもの

実際の家庭では、子どものために必要な栄養、暑さや寒さから守る家、気候に合わせた快適な衣類、心ゆくまで遊べる部屋、ゆっくりと眠れる静かな環境、親が子どもの成長を願って提供しているものはいくつもあります。今回は、「親の言葉」が子どもの脳になにを与えるのか、マイナスに働くものとプラスに働くものを紹介します。

言葉がマイナスに働くもの

 親から「ごみ」とか「お前なんか生まれてこなければよかった」というような言葉を浴びさられていると大脳聴覚野の一部が変化するという研究報告があります。聴覚野は言葉やコミュニケーションに重要な役割をはたします。暴言の程度が深刻なほどその変化は大きいとのことです。顔の傷のように表面からわかる変化ではありませんが、頭の中、大脳皮質の傷としてそれが残るとしたら、親の言葉というのはよほど注意をする必要があります。(参考:福井大学子どものこころの発達研究センターの友田明美教授の研究)

言葉がプラスに働くもの

 親が話しかける言葉が多いほど、子どもの学ぶ能力は高くなるそうです。親の言葉が豊かであり、親同士もよく会話するほうがよく、反対に、命令や禁止の言葉は子どもの能力をおさえてしまうようです。親の言葉は(親さえその気になれば)いつでもどこでも無料で子どもに与えることができます。ただし、親と子どもの生のやりとりが必要であり、どちらかがスマホやタブレット、テレビに夢中になっている場合はその効果は邪魔されます。親が、子どもの様子に注意を向け、言葉をかけ、子どもから話を聞くこと、つまり、子どもが関心を持っていることについて親子でやりとりをすることが重要です。子どもの脳の能力を育てる栄養は、実は親自身の言葉であるなんて、とっても素敵で重要なことです。(参考:「3000万語の格差 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ 」ダナ・サスキンド著,掛札逸美訳)