21)子育ての目標 その6
母の役割
娘が仕事で外出している間、孫の遊び相手をします。仮面ライダーごっこの「悪い人役」とか、見つかりやすいところに隠れる「かくれんぼ」とか、孫に三人乗られてつぶれてしまう「お馬さんの役」などをもらいます。それなりに「じじの役目」で孫と遊び(いや、遊んでもらい)ます。しかし、ママが帰ってくると一変して「ママー、ママー」と母親にまとわりついていきます。言うまでもないことですが、子どもにとってママの存在は特別です。世界中で一番特別です。母親は子どもにとって人生最初の「仲間」だからです。そして、子どもは母親のことをよく見ていて、母親が親しくしている人たち、父親やほかの家族とも仲間になっていきます。「人は安心して信頼できる」ということを学んでいきます。
そこそこの母親
イギリスの小児科医・精神科医のウイニコットは、完璧な親よりも、そこそこの母親(good enough mother)であるほうがいいと主張しました。良い母になろうと努力しているが時々失敗もしてしまう、そんな母親のほうが子育てにはいいようです。失敗もあるがのんきでいつも明るいお母さん・・といったイメージでしょうか。
最後まで味方
親だからこそできる大事な役割があります。それは最後まで子どもの味方でいようと決心することです。子どもは様々な体験をしますが、必ずしも楽しい体験だけではないはずです。時には大きな失敗をして責められる立場になることもあります。そんなときにこそ親は最後まで子どもの味方でいてあげたいものです。
子どもに何が必要か
先日、子どもの発達を専門にしている横山浩之教授の講演を聞きました。専門的なアドバイスもありましたが、その教授が最も強調されていたのはごく簡単な日常的なことでした。それは、「早寝、早起き、朝ごはん」です。早起きができない子どもは、行動異常が増えたり、発達が遅れたりすることがあることがあるそうです。「早寝、早起き、朝ごはん」は簡単なことに聞こえますが、生活習慣としてそれを続けていくのは、日常からの親の努力が必要です。これも親の役割です。
しつけの三原則
横山浩之教授はしつけのことも話されていました。基本のしつけの3原則があります。それは「へんじ」と「あいさつ」そして「靴をそろえてぬぐ」という3つです。この3つができると他のことは教えなくてもしつけられるそうです。この3原則を教えるためには親自身ができていなければ、子どもたちには身につきません。自ら意識してお手本になるのも親の役割です。
読み聞かせとお手伝い
私がコーヒーミルをゴリゴリ回し始めると孫がニコニコしながら走ってきます。自分もゴリゴリとコーヒーを擦るのです。時に反対にまわしたりしますが何とか協力して擦りあがります。できあがった粉のにおいをかがせると「くっせ」とかいって逃げていきます。子どものお手伝いは逆に面倒が増えてくることがありますが、その経験は重要です。家族の一員として子どもにも協力してもらう家族でありたいものです。もうひとつ、絵本の読み聞かせは親が意識して取り組む必要があります。テレビやDVD、スマホに相手をさせることは簡単ですが、メディア任せは禁物です。絵本の読み聞かせは親の役割と心得ておいてください。