1)ワクチンって必要?

ワクチンの効果

予防接種は、任意のものも含めると実にさまざまな種類があります。特に乳幼児の予防接種はこの数年で種類が増えており、戸惑うママも少なくありません。

 子どもにとって怖い病気に「細菌性髄膜炎」があります。重症な病気です。発熱し風邪かなと思っているうちにけいれんを起こし、そのまま一日で亡くなってしまう例もあります。小児科医が警戒する、かかりたくない、かからせたくない病気のひとつです。やっと命をとりとめても後遺症が残る場合もあります。細菌性髄膜炎の約8割は、ヒブ(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)と肺炎球菌が原因で起こります。そしてこれらは、ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンを接種することで予防が可能です。このふたつのワクチンの接種がはじまり3年ほどたちますが、その効果は抜群で肺炎球菌は7割以上、ヒブは9割以上の患者数の減少が確認されています。

 一方、毎年乳幼児の間で流行する急性胃腸炎の原因としてロタウイルスが知られています。このロタウイルスのワクチンの効果について米国から報告がありました。ワクチン接種によりロタウイルス胃腸炎の入院数が94%減少したとのことです。長年子どもたちを苦しめていた病気がまたひとつ減りつつあります。

ワクチンのことをよく知ろう

様々な情報が飛び交う中で、ママの中にはワクチンは接種しないと決めた方もいらっしゃると聞きます。ワクチンの副反応の話などを聞くと不安になり、どうしたらよいのか迷うこともあるかと思います。それが親というものです。一方、小児科医は職業柄、重症になり救命できなかった経験などがあるため、ついつい予防接種の必要性を力説しがちです。必要なことは、大切な子どもの健康のために何が必要なのか、冷静に考えてみることです。その感染症の危険はどのようなものなのか、予防接種で我が子にどのような効果が期待できるのか、どのような副反応が予想され、それは容認し得るものなのか。知っていて頂きたいことはたくさんあります。

新潟市小児科医会は、予防接種に関するそのような情報を皆様に提供するために、毎年、一般向けの公開セミナーを開催しています。新潟大学小児科の齋藤昭彦教授がとてもわかりやすく解説を行います。今年も企画していますのでぜひご利用ください。

我が子の命を守る決心

親は子どもの健康の第一の守り手です。一昔前は「やりなさいと言われたので予防接種にきました」という方もいらっしゃいました。でも、これからは違います。子どもの健康を守るため、今こそ行動をはじめましょう。