26)発達障がい

発達障がいとは、生まれつき脳機能の発達のアンバランスさ、凸凹があり、そのため周囲との関わりがうまくいかずに社会生活に困難が発生する特性のことをいいます。

 見た目では分かりにくいため、「わがままだ」「不思議な子だ」「努力が足りない」などと誤解されていることがあります。通常学級で発達障がいの特性を示すお子さんは全体の約6・5%(15人に1人)といわれています。原因は完全には解明されていませんが、親のしつけや育て方に問題があるのではなく、持って生まれた特性と考えられています。

 代表例として、社会性とコミュニケーション能力に特徴があり、行動や興味に偏りがみられる「自閉スペクトラム症」、不注意や多動性、衝動性がみられる「注意欠如・多動症」、知的発達には問題なく、読む・書く・計算するといったある特定分野に極端な困難さがある「学習障がい」があります=表参照=。

 薬物療法が有効な場合がありますが、薬物はあくまで症状を緩和するために処方されます。大切なのはお子さんを理解することです。特性を十分に理解し、困難を軽減するために周辺環境を整え、適切な対処方法を学びます。得意な部分を生かし苦手な部分を工夫することでお子さんの成功体験を増やし、適応能力を伸ばし、自信を深めていくことが大切です。

 専門にみている医療機関はまだ十分とはいえません。2017年の全国調査では初診までに数カ月待ちが過半数で、中には10カ月以上待つ医療機関もありました。発達障がいでは?と疑問を持った場合、まずは地域の専門機関に相談することをおすすめします。保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所、発達障がい者支援センターなどがあります。必要時に医療機関を紹介してもらうこともできます。

 発達障がいのお子さんは周囲にとって「困った」お子さんなのではなくて、本人が「困っている」お子さんなのです。少数派なだけに誤解されやすいかもしれませんが、少しずつ理解が進んでいくことを期待しています。

 赤坂紀幸(県はまぐみ小児療育センター所長)