12)虐待防止学会
新しく誕生した命が大切に育まれ、子どもにとって生きていること自体が楽しく、毎日がキラキラと輝いて見える社会を誰もが望んでいると思います。しかし、今の日本は子育てが年々難しくなり、残念ながら生き生きと毎日を生きられない子どもたちが決して少なくない現実があることを、毎日のようにニュースで知らされています。 今の子育てには、どこに問題があるのでしょうか。どうして、うまく行かなくなっているのでしょうか。さまざまなことが複雑に重なっていて、簡単には答えられない問題があり、その対策も容易ではありません。
今年(2015年)11月20、21日に「日本子ども虐待防止学会にいがた大会」が朱鷺メッセ(新潟市中央区)で開かれます。全国から医師や看護師、助産師、弁護士、保健師や児童相談所職員、民間団体など多くの人が集まります。
大会のテーマを「つながりへのチャレンジ」としました。「つながり」は、今の日本で最も必要なことであり、子ども虐待の問題の中心にあるテーマです。「つながり」の対象とは、虐待されている子どもたちであり、養育困難な親や家庭、さらには問題に関わるさまざまな職種や立場の人同士のこと。もっと広く言えば、バラバラになり始めている日本社会全体のことでもあります。
大会では、孤立家庭や居所不明児など、今の日本社会に起きている子育てをめぐる問題にはどんなことがあるのか、なぜ子育てが難しくなっているのか、どういう状況で虐待が起きてしまうのかや、虐待が与える心身の影響、傷ついてしまった心の回復、虐待の予防などについて、教育講演やシンポジウムなどを企画しています。
子育て支援は、今を生きる全ての人にとって大切なテーマです。どなたでも、これらの問題に関心のある方は参加できます。この問題に対する答えや取り組む意欲を必ず得ることができます。ふるってのご参加をお待ちしています。大会の詳しい情報や参加登録などは、ウエブをご覧ください。http://www.jaspcan.org/
田中篤(長岡赤十字病院小児科部長)