27)コンセントに鍵

 母親と祖母が美容室に行く時に5歳の女の子がついていきました。女の子は母親と祖母が終わるのを待ちながらひとりで遊んでいました。美容室には個人用ロッカーがあり、母親と祖母の鍵を持って遊んでいるうちに壁のコンセントにその鍵をほぼ同時に差し込んでしまいました。その瞬間、両腕に電流が流れ、両手の指と手のひらに電撃によるやけどが発生しました。緊急で受診し、不整脈や筋肉の損傷がないことを確認の上でやけどの治療を行いました。電流による事故は局所のやけどだけでなく、意識障害や呼吸停止、重症な不整脈や筋肉の損傷(横紋筋融解症)をきたすことがあります。家庭内で発生する電撃傷は6歳未満に多く、その原因となる電流原はコンセントや電気コードが多いです。電気コードによるものは、コンセントにつながった状態の電気コードを乳幼児が口にくわえて受傷するパターンが最多です。事故防止対策としては、コンセントの差込口にキャップをつけることが考えられます。しかし、キャップをつけても約3割の子どもは容易にキャップを外しており、さらにその4割がはずしたキャップを口に入れた、あるいは入れようとしたとのことです。乳幼児を電撃傷から守るには、コンセントも電気コードもさらなる工夫が必要なのかもしれません。