以前、病院に勤めていた時、自宅のお風呂で溺れた幼児が緊急入院したことがあります。来院した時にはもう反応はなく、集中治療を行ないましたが救命することができませんでした。おとなにとっては疲れを癒やすお風呂も、子どもには危険な場所であることを実感しました。小児科学会の傷害速報にもお風呂に関連した事故報告が載せられています。9か月の男の子が浴槽内でオムツ型の浮き輪に座らされ、母親は洗髪をしていました。声がしないことに気がついて子どもをみると、浮き輪からはずれてうつ伏せで浴槽に浮かんでいました。すぐに浴槽からひきあげましたが、呼吸はしておらず人工呼吸を行ないました。その後呼吸が再開し、救急車で病院に搬送され集中治療を受けました。その後回復したとのことです。別の8か月の男の子は、浮き輪を使って入浴中、母親が着替えを取りに行って戻ったところ浮き輪の中にはいなくて、浴槽内に沈んでいるのを発見、すぐにひきあげ、呼吸をしていなかったため人工呼吸を行ない、呼吸が回復しました。その後、病院で集中治療を受けて回復しています。また、9か月の女の子がパンツ型の浮き輪に乗っていてバランスを崩し、くるりとひっくり返ってしまった例もあります。子どもにとってお風呂は危ない場所であることをお忘れなく。
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