3)こわい子どもの窒息事故
もう随分昔の事ですが、診療所の時間外に電話がなり、「2才の孫にみかんを食べさせたら急にのどにつまった。診て欲しい」とのことでした。すぐに連れてきていただいたところ、途中で排出され、来院した時には元気になっていました。みかんといえども危ないと再認識した思い出です。日本小児科学会はホームページで子どもの事故報告をしています。最近、2例続けてブドウによる窒息事故の報告がありました。1例目は1才6か月の男の子、パパが皮をむいて与えた巨峰がのどにつまり、救急車で搬送されましたが脳死状態となり3か月後に亡くなったそうです。2例目は2才6か月の男の子、ママと巨峰を食べていてのどにつまりました。救急車を要請して子どもを抱いて外に出たところ、たまたま通りかかった通行人がハイムリッヒ法(窒息の応急処置)を施行。ブドウは排出され奇跡的に救命できたそうです。窒息を引き起こす野菜果物としてミニトマト、リンゴ片、ブドウなどが知られています。5才未満の子どもに対しては、まるくて滑りやすい野菜やくだものを食べる時は4分の1以下の大きさに切って与えることをお勧めします。